精神疾患の病名の決め方
精神疾患と一言で言ってもたくさんの病名があり、いわゆる「うつ病」と一般的に呼称される正式な病名は「気分障害」と、なっております。「うつ病」って、なんとなく”何に対してもやる気が出ない”といったイメージがあると思いますが、それを「気分障害」なんて呼ばれると、昔はよく言われたものですが、「気持ちの問題」というように捉えがちになると思います。
じゃあ、「統合失調症」と言うと、かなり人格的に危ないイメージがあると思います。昔は、正式名称が「精神分裂病」なんて名前が付けられたものですから、当然といえば当然ですね。
この「統合失調症」と「精神分裂病」なのですが、名称の最後に”症”が付くか”病”が付くかで、大きく意味が異なってきます。
統合失調症の場合
まず、「統合失調症」ですが、これは最後に”症”という文字で終わってますね。この”症”の意味は、”症候群”の”症”であって、厳密に言うと実は病名とは違います。あくまで、そういう症状があるというだけであって、脳がおかしくなっているとかではなく、「統合失調症」で定義されている”症状”があるというだけなのです。たとえば、インフルエンザや何らかの風邪で、鼻水が止まらないのであれば”鼻炎”と言われますが、これと同じです。「統合失調症」は、定義された症状があるのですが、根本的な原因となるものがわからなくても「統合失調症」と診断されます。
逆に、旧名の「精神分裂病」の場合、”病”という文字で終わってますので、病名として判断されます。つまり、医学的に原因がわかっているということです(名称が変わったので、脳がおかしくなったとは限らない)。ただ、現在も脳内の伝達物質が原因であると考えられていますが。。。
精神科医にとっての統合失調症
筆者は、現在通っている精神科では「統合失調症」と診断されていますが、自分で言うのもなんですが、脳がおかしくなった人がこのような文章またはブログを書けるでしょうか。あくまで、「統合失調症」で定義されている症状があるだけであって、躁うつ病の患者を「統合失調症」と診断する精神科医も、存在します。筆者の場合、ドクターショッピングをしたことがあるのですが、「不安障害による統合失調症」と診断されることもありました。
つまり、単に「統合失調症」と診断された方は、脳がどうにかなったのではなくて原因がわからないとおっしゃる先生もいました。
肩を落とす必要はない
結論として私が言いたいのは「統合失調症」と診断されたからといって、「おかしくなったわけではない」と言うことです。先ほども書きましたように、「脳の伝達物質が正常に動作しない」と考えられていますが、実際のところ根本的な原因は、はっきりわかっていません。ですので、「統合失調症」と診断されたからといって、人生が終わったと考えるのは時期尚早であると思います。
まとめ
以上になります。病名をオープンにするかクローズにするかは人それぞれですが、精神疾患になっても回復に務めるのが一番だと考えています。